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2015/12/15不動産市場
水戸市の坪単価とこれまでの土地価格の推移東洋エステート

2012年から始まったアベノミクスと日銀の金融緩和で、資産価格は上昇しています。その影響は不動産にも徐々に広がりを見せており、2015年7月1日時点の基準地価は上昇し、地方の中核都市にも波及しているという報道もありました。

不動産にもようやく明るい兆しが見えつつあるようですが、水戸市にもその波はやってきているのでしょうか。

そこで今回は、水戸市の土地価格の推移を見てみたいと思います。

土地を資産として考える場合、今までの土地価格の値動きは気になるポイントではないかと思います。また、一戸建てとマンションで悩んでいる方がどちらを購入するか決める際、土地の資産価値の将来性も考えるのではないかと思います。

水戸市の土地価格は下落傾向

茨城県は東日本大震災の被災地であることと、原子力事故の発生した福島県に隣接していることによる風評被害があったため、県全体として土地価格の下落率は拡大傾向にありました。

県庁所在地である水戸市もその影響を受け、土地取引は震災後は停滞傾向にあり、2011年4月頃には6000件ほどに落ち込みました。しかし、そこから増減を繰り返し、2015年の初めには、8000件を超えるまで回復しました。

最近では、郊外型店舗に顧客が流出していることもあり、水戸市の中心市街地は空洞化が進んでいます。その一方で中心市街地の空きビルなどを取り壊し、高級マンションを作る動きも出てきています。

水戸市の公示地価

2015年3月に発表された水戸市の公示地価は、1坪18.2万円と、2014年の同時期に比べ-2.85%下落しました。水戸市の公示地価ランキングは、全国1527市区町村の中で513位、茨城県内44地区町村の中では3位となっています。

なお、茨城県の公示地価は坪単価11.8万円で、47都道府県中で44位となっています。

最初の方で基準地価が上がったという話をしましたが、どうやらそれは、首都圏をはじめ、大阪や名古屋などといった大都市圏、そして、政令指定都市を抱える都道府県に集中しているようです。

それ以外の都道府県は、ほとんどが昨年よりも公示地価が下がっています

水戸市の公示地価ですが、1992年をピークに年々下がり続けています。現在の価格は、1976年(坪単価18.0万円)や1977年(坪単価18.1万円)と大体同じレベルにあると言えます。

なお、1976年の消費者物価指数が61、1977年は66なのに対し、2015年は103.82(推計値)であることを考えると、公示地価の金額は同程度であっても、実質的な資産価値は落ちているのではないかと考えられます。単純に消費者物価指数だけを考慮すれば、1976年、1977年当時に比べ、2015年の土地の資産価値は6割程度になっています。

なお、水戸市にある駅ごとに見た場合、公示価格が最も高いのは水戸駅で、坪単価18.1万円、最も低いのは常澄駅で坪単価7.0万円となっています。なお、人気エリアの姫子や見和から近い赤塚駅は下落率が最も低く、前年比-2.54%の下落、最も下落率が高いのは内原駅で、前年比-14.94%の下落となっています。

水戸市の住宅地の公示地価の平均変動率ですが、2015年の平均変動率は-2.5%ということで、昨年の-3.8%に比べると、下落が緩やかになっています。

水戸市のエリアごとの下落率は?

では、水戸市内各エリア別の下落率の推移を見てみましょう。

水戸市中心市街地の優良・準住宅地域内

ブランド力があることと、物件の供給が限定的であることから、他の地域に比べて地価の下落率は小さいようです。

水戸市中心市街地北西部住宅地域内

街路条件(その土地に接する道路の道幅や舗装状況、連続性のこと)・交通接近条件(その土地が最寄駅や近隣の学校や公共機関からどれくらいの距離にあるか等)が劣る住宅地が多く売り物が比較的多いため、地価は高い下落率となっています。

ただし、このところは底を打った感もあるため、地価の下落率は縮小傾向にあるようです。

水戸市中心市街地南部および南西部住宅地域内

比較的利便性が良いことから、住宅地としての需要は一定数見られます。

ただし、近年は安値競争が見られるため、地価は下落傾向にあります。

市街化調整区域内

価格と利便性を考えた場合、ここにある分譲地は割安感があるため、若い世代に人気のエリアとなっています。

最後に

水戸市の土地価格は、2015年12月現在このような状態になっています。資産価値という面では、現状厳しい状態にあると言えるかもしれません。

しかし、別の見方をすれば割安状態にあるとも言えます。ちなみに、水戸市で人気のある土地は、坪単価10万円~15万円以内で、60坪から70坪のものになります。

住環境を重視したい場合や、自分の好きな間取り・デザインで家を建てたい方にとっては、費用を抑えた上で、今なら理想の住環境にある一戸建てを購入できるのではないでしょうか。